土壌汚染状況調査等を行うためには、環境大臣または地方環境事務所長若しくは都道府県知事に指定調査機関としての指定を受けなければなりません。
土壌汚染の調査は、試料の採取地点の選定、試料の採取方法などにより結果が大きく左右され、調査結果の信頼性を確保するためには、調査を行う者に一定の技術的能力が求められるからです。
指定の基準
指定調査機関として指定を受けるためには、次の基準を満たしていなければなりません。
1.土壌汚染状況調査等の業務を適確かつ円滑に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有するものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること。
<経理的基礎に係る基準>
① 債務超過となっていないこと。
② 土壌汚染状況調査等の業務を適確かつ円滑に遂行するために必要な人員を確保する能力を有していること。
<技術的能力に係る基準>
法定調査を行う事業所ごとに1名以上の技術管理者を常勤として雇用していること。
2.法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて環境省令で定める構成員(株式会社の株主、一般社団法人の社員、持分会社の社員など)の構成が土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
3.土壌汚染状況調査の実施に係る組織その他の土壌汚染状況調査等を実施するための体制が次に掲げる事項に適合するよう整備されていること。
① 特定の者を不当に差別的に取り扱うものでないこと
② 土壌汚染状況調査等の実施を依頼する者との取引関係その他の利害関係の影響を受けないこと
③ その他、土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないこと
欠格条項
指定調査機関として指定を受けるためには、次の各項目のいずれにも該当してはいけません。
1.この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
2.法第42条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
3.法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
技術管理者
技術管理者になるための要件は次の通りです。
環境大臣は、次のいずれにも該当する者に対し、技術管理者証を交付するもの
とする。
1.第11条に規定する技術管理者試験に合格した者
2. 次のいずれかに該当する者
① 土壌の汚染の状況の調査に関し3年以上の実務経験を有する者
② 地質調査業又は建設コンサルタント業(地質又は土質に係るものに限る。)の技術上の管理をつかさどる者
③ 土壌の汚染の状況の調査に関しイ及びロに掲げる者と同等以上の知識及び技術を有すると認められる者
3.次のいずれにも該当しない者
① 次項の規定により技術管理者証の返納を命ぜられ、その返納の日から1年を経過しない者
② 法又は法に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
③ 法第42条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
業務規程の届出
指定調査機関としての指定を受けた後、業務を開始するまでに、法第37条第1項の規定により、業務規程(法定調査の業務に関する規定)を定め、指定調査機関の指定を受けた環境大臣または都道府県知事に届出なければなりません。
業務規程の届出をしないまま業務を開始すると、指定を取り消される場合があるので十分注意が必要です。