「電気工事業の業務の適正化に関する法律」には、一般用電気工作物または自家用電気工作物にかかる電気工事を業として営む場合、経済産業大臣あるいは都道府県知事による登録を受ける必要があると定められています。
電気工事業の種類は、「登録電気工事業者」「みなし登録電気工事業者」「通知電気工事業者」「みなし通知電気工事業者」の4種類に分けられ、それぞれ手続方法が異なります。
4つの電気工事業
① 登録電気工事業者
一般用電気工作物のみ又は一般用電気工作物及び自家用電気工作物に係る電気工事業を営み、電気工事業者登録をした者のことです。
登録の有効期間は5年間なので、5年ごとに更新登録をする必要があります。
② みなし登録電気工事業者
建設業許可を受けた業者であって、一般用電気工作物のみ又は一般用電気工作物及び自家用電気工作物に係る電気工事業を営む者のことです。
建設業許可の更新のたびに、建設業許可番号変更の届出が必要となります。
③ 通知電気工事業者
自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営み、電気工事業者通知をした者のことです。
④ みなし通知電気工事業者
建設業許可を受けた業者であって、自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営む者のことです。
「一般用電気工作物」と「自家用電気工作物」の違いとは?
「一般用電気工作物」とは、電力会社から600V以下で受電する電気工作物です。
例)一般住宅等の屋内外配線及び設備
「自家用電気工作物」とは、電力会社から600V超で受電する電気工作物です。
例)ビル・工場等のキュービクル本体及び2次側
ただし、自家用電気工作物のうち電気工事業法の手続きが必要になるのは「受電電力容量が50kW以上500kW未満の設備」です。
どこに申請するの?
申請先は、営業所の所在地によります。
営業所が1つの都道府県内のみの場合・・・営業所住所地の都道府県知事
営業所が複数の都道府県にまたがる場合・・・国(経済産業大臣又は各産業保安監督部長)
千葉県内にのみ営業所がある業者は千葉県に申請することになります。
届出(みなし登録)に必要な要件
登録を行うためには、次のすべての要件を満たしていることが必要です。
① 一般用電気工事を行う営業所ごとに、主任電気工事を1名選任すること
② 主任電気工事士に選任することができるのは次の方です。
(複数の営業所を兼務することはできません)
1.第一種電気工事士免状を取得している方
2.第二種電気工事士免状を取得後、3年以上の実務経験を有し、それを証明できる方
③ 事業者・法人役員・主任電気工事士が登録拒否要件に該当しないこと
④ 工事後の確認用の検査器具を営業所に備え付けていること
備え付けが義務づけられている検査器具は次のとおりです。
【一般用電気工作物の工事だけしか行わない場合】
・絶縁抵抗計
・接地抵抗計
・抵抗及び交流電圧を測定できる回路計
【自家用電気工作物の工事も行う場合】
上記に加えて、
・低圧検電器
・高圧検電器
・継電器試験装置(借用・計測依頼で対応することも可)
・絶縁耐力試験装置(借用・計測依頼で対応することも可)
「通知」に必要な要件
通知を行うためには、次のすべての要件を満たしていることが必要です。
① 事業者・法人役員が登録拒否要件に該当しないこと
② 工事後の確認用の検査器具を営業所に備え付けていること
③ 自家用電気工作物の工事を行うことができる方がいること
備え付けが義務づけられている検査器具は次のとおりです。
・絶縁抵抗計
・接地抵抗計
・抵抗及び交流電圧を測定できる回路計
・低圧検電器
・高圧検電器
・継電器試験装置(借用・計測依頼で対応することも可)
・絶縁耐力試験装置(借用・計測依頼で対応することも可)